教育学部教員コラム vol.8
2008.11.20 こども発達学科 鈴木公基
心理学は決して目で見ることのできない「こころ」を知るための学問です。
そのこころを測定するための方法として,私が多く用いているのが
「質問紙」とよばれる方法です。
「アンケート」と言った方が分かりやすいかもしれません。
実際の質問紙を見るとたくさんの質問項目が列記されていることが分かるでしょう。
例えば,「不安」という心理を測定するためには,
だいたい10項目程度の質問項目を用います。
なぜ「あなたは不安ですか」とそのまま聞かないのかというと,
「不安」という心理概念はその1項目で測定できるほど単純ではないと考えるからです。
むしろ本当に不安が高い人であれば,
不安に関連する多くの質問項目に「Yes」の回答をするでしょう。
その方がより確実に,また安定して複雑な心理概念を測定することができるのです。
少し面倒くさく,手間をかけ過ぎとお思いの方も多いと思いますが,
私は,それが心理学の謙虚さ,誠実さだと思っています。
みなさんもぜひともそんな心理学ワールドを覗いてみてください。
鈴木公基(人間発達学科)