教育学部教員コラム vol.18

2009.07.23 こども発達学科 山下 俊幸

台湾での講演と「きかせ隊」「守り隊」

1.台湾へ行ってきました

 

台湾の致理技術学院( http://www.chihlee.edu.tw )の招聘を受けて7月5日から8日まで台北に滞在しました。台湾はもう夏休みで、日本の8月中旬の暑さでしたが、早朝から公園で太極拳を楽しむ人々や、台湾一の名古刹、龍山寺に詣でる老若男女の多さ、そして夜遅くまで賑わいを見せる士林夜市など、日本とは違う活気が街全体から感じられました。

 

「如何在國際化與情報化社會中獲得就業優勢」(国際化・情報化社会に求められる就職力の向上について)と題された講演会は、7月7日、奇しくも七夕の日でした。私の演題が「〜自己表現能力の向上」だったこともあり、講演に先立ち、笹飾りと共に日本から持参した「七夕」の紙芝居を演じました。紙芝居は、日本独自の文化で、言わばプレゼンの原点です。私のサブテーマ「『朗読力』を活かす〜ビジネスシーンでの上手な自己表現」につなげるための“枕”だったのですが、台湾の学生には異文化体験だったようです。台湾では、七夕は旧暦で行いバレンタインデーとともに若者の恋愛成就?のイベントになっているとのこと。日本では子どもの季節行事だと知って驚いていました。夏休み中であるにも関らず集まり、ひとことも聞き漏らすまいとする台湾の学生の熱意と学ぶ姿勢が伝わってきた有意義な講演会でした。

 

 

台湾の大学の先生方や学生と交流する機会もありましたが、まず感じたのはいろいろな意味で、日本が注目されているということです。PISAの学力調査結果を受けたゆとり教育からの転換について意見を求められたので、フィンランド型よりも韓国・香港型に近い教育政策を危惧していることをお話ししました。また、学生から最近の日本での親子間の不幸な事件や、日本の教師や警察官に不祥事が多いのは何故かなど答えに窮する質問をされ困りました。「ぜひ日本の大学で勉強したい」と瞳を輝かす台湾の学生に恥ずかしくない大学、日本人でありたいものです。そのための活動として私が関わっている「きかせ隊」と「守り隊」を紹介します。

 

2.「お話きかせ隊」…子どもたちに本の楽しさを届けます

毎週木曜日の昼休みに、私の研究室に絵本を朗読する声が響きます。幼稚園や小学校、福祉施設に「読み聞かせ」の出前をするのが、読み聞かせボランティア「お話きかせ隊」です。朗読の練習を通して、絵本の魅力を再発見したり言葉や表現の効果に気づいたりしています。ヴォイストレーニングや朗読の仕方を勉強しながら、今は、夏のオープンキャンパスや小学校での発表に向けて一人ひとりが絵本を決めて練習を重ねています。読み聞かせの出前のご依頼があればどうぞ声をおかけください。

 

3.「海・守り隊」…金沢の海を見守ります

人間環境学部のすぐそばに広がる平潟湾。干潮時には夕照橋の袂に干潟が現れます。その干潟の清掃とベントス(底生生物)調査を行うことを通して地元の金沢の海を見守っていこうとして誕生したのが「海・守り隊」です。環境サークルHEPの協力も得て、いよいよ活動が始まります。干潟の調査活動というと堅苦しいですが、実際は干潟の生き物を見つけて記録していくという楽しい活動です。子どもの頃干潟で遊んだ時のわくわく感とオモシロ感が味わえるのです。将来は、地元の子どもたちと一緒に、干潟での活動を楽しみながら環境教育に資することができればと願っています。夕照橋の袂に学院色の「海・守り隊」ののぼり旗が立っていたら干潟に目を落としてください。「海・守り隊」が活動しています。あなたも参加してみませんか。

 

 

山下 俊幸(人間発達学科)

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