教員紹介

教育学部教員コラム vol.26

2010.02.25 こども発達学科 鈴木 公基

山小屋のような研究室を目指して

教育心理学・発達心理学が専門の私は,週に1度ずつ中学校に出向いてスクールカウンセラーをしています。そのスクールカウンセラー活動の中では,子どもにとって安心できる場所や子どもを安心させることのできる人物の存在がとても重要であることを感じます。何もそれは,中学生ばかりではなく大学生にでもあてはまることなのではないでしょうか。安心できる場所や安心できる人が大学にいれば,その人の大学生活はより充実したものになっていくのではないでしょうか。私たち人間にとって「安心できる」ということは,「楽しい」や「嬉しい」以上に生きていく上で大切なことだと思っています。

 

さて話は変わりますが,みなさんは山登りをしたことがあるでしょうか?私の趣味は山登りなので,ひと月に数回山に登ります。今回は,山登りで感じる「安心できる」瞬間についてお話ししたいと思います。

 

山にもいろいろとありますが,中には一日では登り切れず二日,三日とかけてのぼらなければならない山もあります。そのような山は立ち入る人も少なく常に危険と常に隣り合わせの世界です。そのような山で頼りになるのが「山小屋」です。山小屋は山の中にあるので,見た目は決してきれいなものばかりではありません。しかし,そのような山小屋は多くは登山客にとって休憩や宿泊の場となっています。いわば安心して休むことのできるスペースになっているのです。しかし,私が山小屋に安心を感じている理由はそればかりではありません。

 

初めて登る山は未知のことがたくさんあります。今では本やインターネットなどで多くの情報を集めることはできるものの,実際に登ってみると「迷いやすいところはないか」「落石などの危険な場所はないか」などの不安は尽きることがありません。

 

そのような不安があるときに,私は迷わず山小屋のおやじさん(管理人さん)に相談をします。すると,さすがにその山のベテランだけあって,危険な場所やそこでの対処の仕方,そればかりか,きれいな花が見られる場所や美味しい水が飲める場所まで(聞いていないことまで)いろいろと教えてくれます(そのせいで出発時間が大幅に遅れたこともありました。これはご愛嬌!)。すると,私の不安は少なくなり,山登りをより快適に楽しむことができるようになるのです。

 

私たちの日々の生活は山登りと似た部分がたくさんあります。ある時は疲れ,不安になり,立ち止まってしまうこともあります。大学にもそんな場所があっていいのではないでしょうか。例えば,私の研究室はそのようなとき気軽に立ち寄れる山小屋だと考えてもらってかまいません。決してきれいなわけではありませんし,時として私の長話で訪れた人を戸惑わせるかもしれません。しかし,不安なことや困ったことがあるときには,その場所を知っている「オヤジ」に相談してみることは,決してソンをすることではありません。時には厳しいことを言うかもしれませんが,それもオヤジの愛情だと思ってくれればありがたいです。

 

みなさんが大学生,あるいは青年という大きな山をより充実して歩んでいけることを心から祈っています。

冬の山小屋(北八ヶ岳)にて。(写っているのは筆者の妻)

 

 

鈴木 公基(人間発達学科)

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