教育学部教員コラム vol.33
2010.09.16 こども発達学科 城倉 登代子
少し前に、幼児が昨晩見た夢について話すのを聞いた。その子の理解では、眠っている自身の周りに来た夢を掴まえて頭の中に入れればその夢を見ることが出来るらしい(回転寿司か!?)。自分が今夢中なミニカーの世界に一緒に行けるよう、近くに寝た折には私の分も掴まえてくれるという。どうやら一緒に居るという場所の近接性と、掴まえるという意識的な運動が、思考の共有に繋がると考えているらしい。
さて「夢」というものを理解出来るようになるのは、幼児期と言われている。心理学を志すとは思っていなかった、いや「心理学」の存在すら知らなかった自分の子ども時代の大切な体験は覚えていない。故に「発達心理学」は、周囲の子どもから学ぶことになる。
「臨床心理学」においても、「夢」は重要である。子どもとのカウンセリングで語られる夢の内容に重要な示唆があって、本人の気づきや治癒に繋がることがある。心理学に興味を持ったら、意識だけでなく無意識の自分のこころにも関心を持って学んで欲しい。
城倉 登代子(人間発達学科)