教育学部教員コラム vol.56

2012.08.02 こども発達学科 黒田 篤志

仰げば尊し 我が師の恩

「仰げば尊し」,今では卒業式でこの歌を歌う学校も,めっきり少なくなってきたようです。しかし,私は,この歌が一番好きな卒業式ソングです。それは,私事になりますが,私には,恩師と呼べる先生が数多くいるからです。教師志望の受験生のみなさんの中には,「好きな先生がいた。」という理由で,教職を目指している方もおられるのではないでしょうか。
私の尊敬する先生の一人目は,大阪で学生をしている頃に理科の授業のいろはを教えていただきました元附属小学校教員の菅井先生です。菅井先生に教えていただいた「カラスムギ」のお蔭で,朝日新聞の「はなまる先生」になることができました。そして,その朝日新聞へのパイプを作ってくださったのは,私の理科教育学の師,横浜国立大学教授の森本先生です。二人目の恩師です。「カラスムギ」の授業は,菅井先生の教材と,森本先生の理論を背景として構成したものです。詳しくは,朝日新聞出版刊『感動する授業』をご覧ください。そして,三人目の恩師ですが,私が長らく勤務しておりました政令指定都市にあります教育センターの元所長,松永先生です。先日,本学の私の受けもつ授業において,「教師は教室で何をするのか?―教師のプロ意識―」という演題で,ご講演いただきました。いつもの私の講義より,学生の目が輝いていたように思います。人を惹きつけるお話は,18年前,私が教育センターで受講しました教職員五年次研修当時,そのままでした。子どもへの愛が,教育の基本であることを再認識させていただきました。
三人の先生方には,共通した経歴があります。それは,菅井先生,森本先生,松永先生共に,小学校教員,もしくは高等学校教員を,多かれ少なかれご経験されてから大学教員の道を歩まれているということです。先生方の生き方は,教育学の世界に理論と実践の相互補完性があることを,私に指し示していただきました。私もその道を歩んでいます。「人は,一人では生きてはいけない。」と言いますが,この三人の先生方がおられなければ,私の現在の道はなかったのかもしれません。本当に感謝いたしております。
本年度,私のゼミに一人の若者が入ってきました。私も,三人の先生のような偉大な教師となれるのでしょうか。大学教員一年目,不安ばかりの毎日です。

 

 

朝日新聞出版刊 横浜教師塾主宰・松永昌幸先生

黒田 篤志(人間発達学科)

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