教育学部教員コラム vol.122
2018.03.01 こども発達学科 黒田 篤志
下の写真は,ある場所で撮影したキノコです。
キノコは,枯れた木や切り株などで,よく発生するところから「木の子」と呼ばれるようになりました。
実は,キノコは動物とも植物とも違う生物なのです。
分類学上は,カビに近い仲間で菌類に属します。
カビやキノコなどは,胞子と呼ばれる生殖細胞をまいて繁殖します。
この胞子を生産する為に菌糸の集合体である子実体を作ります。
目に見える大きな子実体のことを,巷ではキノコと呼んでいるのです。
日本には命名されているだけで約3,000種,世界では約20,000種あると言われています。
キノコは,胞子から菌糸という細い細胞を伸ばして成長していきます。
その際,動物の死骸や糞,枯れた木や落葉などを分解し,土に戻す働きをしています。
また,菌類は,植物の光合成と違って酸素を取り入れ二酸化炭素を排出しています。
特に,動物の死骸などを分解する働きは,菌類だけにしかできないことで,
もし,菌類が存在しなかったら,地上は動物の死骸や糞,枯れた木などが,
いつまでも残ったままになってしまうでしょう。
キノコの働きを考えると,動物や植物は,菌類とは切っても切れない関係を保っていると言えます。
人間も同じで,人間の体には多くの菌類が存在し共生しているのです。
人間を含め生物は,決して単独では生きていけないと言えるでしょう。