教育学部教員コラム vol.150

2020.09.01 こども発達学科 小原 豊

ニュートンの顰みに倣う

 昨今のcovid-19の猛威により,本学でも学生及び教職員はオンラインを基調としたコミュニケーションを図っており,実習指導など止む無き場合に限ってはマスク着用かつ手洗い消毒して社会的距離を保ちつつ教学上の活動に臨んでいます。こうした自粛が続き,十分な学外活動や対面交流もままならず,若くエネルギッシュな諸君は辛く苦しいことでしょう。そして,こうした時期だからこそ,知っておくべき故事があります。
 17世紀ヨーロッパでペストが大流行した際,英国ロンドンにあるケンブリッジ大学も閉鎖され,在学していた当時20代前半のアイザック・ニュートンはペストを避けて1665年から1666年の間に故郷のリンカーシャーに疎開しました。この帰郷した1年半こそが科学史上で「驚異の年(Year of Wonders)」 といわれる期間です。この時期にニュートンは万有引力や流率法(微分積分の基礎)など偉大な発明・発見を成して,後世に「自然科学の父」と呼ばれます。疎開先での自宅待機の期間に休み惚けず,自由な思索や学問に没頭する創造的休暇にしたのです。現在多くの活動を自粛中の我々にとって,実に学ぶべきものが多い故事です。
 教育学部は,次世代の教員や保育者を養成する「教育機関」であるだけでなく,指導内容の刷新や日進月歩のテクノロジによる指導方法の改善など新たな知を導出し検証し公開する「研究機関」でもあります。この自粛期間中に,私も知恵なき悲しい我が身を叱咤しつつニュートンの顰(ひそみ)に倣い,精励恪勤するつもりです。
未来ある学生諸氏も自粛明けの更なる飛躍のために今は静かに安全に学びの充実に励んで頂きたいと思います。

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