担当科目
甘えの心理学、カウンセリング概論、ほか
氏 名 | 伊藤 賀永(いとう かえ) |
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所 属 | こども発達学科 |
職 名 | 教授 |
専攻分野 | 精神保健学、精神療法 |
最終学歴 | 東京大学医学系大学院博士課程修了 保健学博士 |
学部担当科目 | 甘えの心理学、カウンセリング概論、子ども家庭支援の心理学、ほか |
長期研究テーマ |
(1) 「甘えの心理学」の研究 (2) 学際的集団精神療法“ファンタジーセラピー”の研究と実践 (3) “ファンタジーセラピー”の幼児教育への応用の研究 (4) 子育て中の母親の支援グループの研究 |
長期研究テーマ 内容 |
(1) 「甘えの心理学」の研究 日本の土壌から生まれ、近年の精神分析理論の発展に貢献した精神科医土居健郎の「甘え」理論について、精神分析学の新しい議論を踏まえて、その特徴と広がりを包括的に捉える。また、最近保育・教育現場で注目が集まっている『愛着障害』の観点から「甘え」理論を再考する。 (2) 学際的集団精神療法“ファンタジーセラピー”の研究と実践 “ファンタジーセラピー”は、筆者が1990年代にスイス・チューリッヒ州立ラインナウ精神病院で精神療法家として勤務した時に、スイスの治療者・研究者と共同開発した精神病者を対象にした集団精神療法である。2002年に筆者が帰国してからも日本とスイスに分かれて実践と研究を続け、その有効性について検証している。 (3) “ファンタジーセラピー”の幼児教育への応用の研究 “ファンタジーセラピー”について、“ファンタジー”の持つ創造力に注目し、集団精神療法の枠組みを超えた幼児向けの新しい実践プログラムとして応用・活用の可能性を探っている。実際、スイスでは健康な幼児を対象に“ファンタジーセラピー”の試みがなされている。 (4) 子育て中の母親の支援グループの研究 子育て中の母親の支援グループで話し合われる内容を分析することによって、母親が直面する問題や課題を明らかにする。 |
短期研究テーマ | 新型コロナウイスル感染拡大が青少年のメンタルヘルスに与える影響の研究 |
短期研究テーマ 内容 |
新型コロナウイルス感染拡大が青少年のメンタルヘルスに与えた影響について、スイスとドイツの研究及び臨床報告等から現状を把握し、日本の状況と照らし合わせながら、今、取るべき対策を考察する。 |
主要業績 |
伊藤賀永 (2022). 「新型コロナウイスル感染拡大が青少年のメンタルヘルスに与える影響:スイスとドイツの研究及び臨床報告から」『関東学院大学人間環境学会紀要』、 38、13~28頁 Schmid, Garry Bruno, Ito, Kae, & Eisenhut, Rebecca (2015). Fantasietherapie: Realität in der Fantasie wiederfinden. Springer Verlag. 伊藤賀永 (2014). 「スイスの学校におけるいじめの問題と防止対策及び心のケアについて」『関東学院大学人間環境学会紀要』、21、27-43頁 伊藤賀永・シュミット・ギャリー・ブルノ (2012). 「“ファンタジーセラピー”の学際性と遊戯性及び精神病治療に対するタブーについての考察」『関東学院大学人間環境学会紀要』、17、3-18頁 伊藤賀永・シュミット・ギャリー・ブルノ (2011). 「ファンタジーの治癒力と“ファンタジーセラピー”」『関東学院大学人間環境学会紀要』、15、19-34頁 |
ゼミの内容 | 「こころの健康と病気」を主題として、様々な観点から人間が精神的に健康であることの意味を考えます。特に日本人の人格形成と人間関係の発展に重点を置き、国内外の文献講読やディスカッション、あるいは症例検討を通して、考察を深めていきます。 |
皆様へ メッセージ |
大人は誰でも子ども時代を送ったはずなのに、その時のことをすっかり忘れて、子どもの心を理解するのが上手ではありません。子どもは元気で、明るく、幸せ一杯だと思われがちですが、実際はどの年齢の子どもも成長・発達のための難しい課題に直面していて、毎日一生懸命生きる努力をしているのです。そういった子どもの大変さや悩みを分かち合って、寄り添っていける保育者・小学校教員が、この教育学部から巣立ってくれることを願ってやみません。 |
受験生へ メッセージ |
教育学部こども発達学科には教員のコラムがあります。少し古くなりますが、私が書いたコラムに「こども発達学科で学ぶとカワイクなります」という一文があります(教育学部教員コラムvol.126, 2018.07.01)。それは下記のように始まっています。 「2018年3月24日に卒業式がありました。学科の卒業パーティーで卒業生を眺めていると、彼らが一様にとても美しく立派で、美男美女の集まりだと感心しました。そして、このような感慨を持つのは毎年のことなので、我が学科には人をカワイクする魔力のようなものがあるのではないかと考えてみました。」 これに続いてこども発達学科が持つ“魔力”ついて詳しく解説しています。ぜひ読んでみてください。 |
kito [at] kanto-gakuin.ac.jp |