教育学部教員コラム vol.16

2009.04.16 こども発達学科 照沼晃子

0・1・2歳児からの感性の育みに学ぶ

0・1・2歳児からの子ども達の感性の豊かさは、計り知れない。

頭が固くなり、概念的に決めつけてしまう大人に対し、

全てが初めての新鮮な出会いとなる子ども達は、

大人の予想しない関わりや発見をもつ。

 

市販の遊具でなく、周囲の身近な物から、

大人の何気ない動作を見ては、面白さを発見していく。

観察力と創造力で、どんな大人もかなわない。

 

2枚の写真は、ある保育園の0・1歳児クラス(1・2歳児)の協力で、

日頃生活で使う箱を集め遊んでいるところである。

 

保育室にたくさん箱が出てくると、

「なんだろう」と、子ども達の視線が集まった。

身近に大人が使う物に子ども達は興味があるからだ。

 

箱で遊ぶ。
その遊びの様子には、子どもから気づかされる(学ぶ)感性の豊かさが、幾つもあった。

 

その様子を紹介したい。

 

 

【事例1】

大人の動きを真似して、お菓子の箱にジュースの箱を入れて並べていくことに夢中になっている。

教わった遊び方ではなく、自然発生的に始まったので、大人の動きをよく観察していることがわかる。

 

【事例2】

足をティッシュの箱に入れたくなったAちゃん。保育者に手伝って入れてもらい、歩いてみる。

その様子に気づき、数人が集まってきて、箱に足を入れることを手伝って、

はけると手を取りながら歩いて遊ぶ姿がみられた。

ティッシュの箱が、スケート靴のように楽しい物になることに気づかされた瞬間だ。

 

 

乳幼児の感性からは、多くの学ぶべき内容がある。

人間発達学科の私のゼミナールでは、人間の感性の原点を研究している。

ゼミの学生と一緒に、保育について、多くのテーマを設けて、現場に通い学びあっている。

 

そんな中、2009年11月に、乳幼児の表現に関する本を刊行する予定である。

様々な保育園や幼稚園、多くの保育者の方々のご協力により、

乳幼児の何気ない姿の凄さを見直すことのできる本ができる。

 

この本をキッカケに、誰もが一度は経てきた0〜5歳。

その豊かな感性の時間から、我々大人が、学ぶべき事があることを、再確認していきたい。

 

 

照沼晃子(人間発達学科)

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