教育学部教員コラム vol.59

2012.10.25 こども発達学科 鈴木 公基

スクールカウンセラーという仕事

私は,大学で教育心理学や発達心理学を教える教員です。それと同時に,私には臨床心理士やスクールカウンセラーという立場があります。スクールカウンセラーということばは聞いたことがある人も多いでしょう。いまさら説明するまでもないのですが,スクールカウンセラーは学校現場に赴いて,児童・生徒の皆さんがよりよく生活し,また成長することができるようなさまざまな支援を行います。もちろん,児童・生徒の皆さんの話しを聴くカウンセリング活動も行いますし,保護者の方へのカウンセリングも行います。しかし,それと同じくらい大切で,私にとって興味深い活動があります。それは学校の先生方と話をすることです。
先生は,日々の学校生活で児童・生徒の皆さんと直接関わる重要な方々です。先生の一言やちょっとした振る舞いに心を動かされた,という経験を持つ人も多くいるはずです。それくらい,先生は児童・生徒の皆さんに大きな影響を与えるものです。先生が与える影響に比べればスクールカウンセラーの与える影響なんてとても小さいもので,もし,数字に直すことができるのであれば,先生の10分の1,あるいは20分の1の影響しかないでしょう。
このように考えると,先生がよりよい状態で毎日の学校生活を送ることができるのであれば,児童・生徒の皆さんも自ずとよい学校生活を送ることができるということになるでしょう。そしてそれは,児童・生徒の皆さんの好ましい成長をもたらすことにもつながる,と言えるでしょう。ただ,学校の先生も「一人の人間」です。日々の仕事の中で,また人間としての生きていく中で,さまざまな思いを抱き時として悩むこともあります。そのような先生方を支援し,よりよい心と体で教壇に立ち,児童生徒の皆さんと関わることができるようにすることもスクールカウンセラーの重要な使命となるのです。
そういった意味で,スクールカウンセラーは後方支援の立場,よく言えば“縁の下の力もち”という立場であります。それは一見するととても地味で,報われることの少ない立場かもしれません。しかし,よく考えてみれば,私たちスクールカウンセラーが望むことは,児童・生徒の皆さんのよりよい学校生活です。先生と楽しい時間・穏やかな時間の思い出が加われば,学校生活はより幸せなものとなり,その後の人生の活力なるはずです。もし,その思い出をつくるために少しで力になることができるのであれば,それはスクールカウンセラーとしての大きな喜びです。
そんな,スクールカウンセラーについて知りたい人・学びたい人・語りたい人は是非,関東学院大学人間環境学部を,そして私の研究室を訪ねてみてください。

 

 

ゼミでも,スクールカウンセリングの課題について検討しています(写真はゼミでの様子です)。

鈴木 公基(人間発達学科)

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