教育学部教員コラム vol.83

2014.09.25 こども発達学科 石渡 浩司

関東学院大学が今ここにある理由――アメリカン・バプテストから受けた恵み

春学期の話になりますが、5月27日(火)、「アメリカン・バプテスト宣教協力140周年 感謝の会」に出席させていただきました。二部形式で行われ、第一部は大学礼拝堂における「感謝礼拝」、第二部は教職員ホールにおける「感謝夕食会」でした(「アメリカン・バプテスト」とは、アメリカにあるキリスト教プロテスタントの一教派です)。

 

学生は、1年生の必修科目「KGUキャリアデザイン入門」の‘自校史’の回で学びますが、関東学院の起源は、アメリカン・バプテスト(外国伝道協会)派遣の宣教師A.A.ベンネット博士により、1884年に創設された横浜バプテスト神学校にあります。ですから関東学院は今年で創立130周年を迎えたことになります。ベンネット博士は初代の校長先生でもありました。創設以来「学院」は多くのアメリカン・バプテストの宣教師の働きにより支えられてきました。アメリカン・バプテストの最初の宣教師たちが来日したのが、1873年ですから、アメリカン・バプテストの宣教師の日本での働きは今年で141年目となります。それで、「140周年 感謝の会」と銘打って会が開かれたのですが、関東学院との関係では、「学院」が創設されたのが1884年ですから、130年目ということになります。

 

今回の「感謝の会」は、長きにわたり関東学院はもとより、日本各地で働かれ、帰国を間近に控えたアメリカン・バプテストのロバータ・スティーブンス宣教師の送別会でもありました。これまでの130年の「歴史」の中で、関東学院がアメリカン・バプテストから受けた恩恵は、多々あるかと思いますが、今回私は、特に一つのことに言及したいと思います。それは、感謝礼拝の中でも、説教者の大島良雄先生(元学院宗教主任・元文学部教授)が話されていましたが、現在大学のメインキャンパスである八景キャンパス(六浦校地)は、1951年、当時の理事長ウイリアム・アキスリング博士やB.L.ヒンチマン宣教師(後の学院長)の尽力により、アメリカン・バプテスト(外国伝道協会)からの資金援助によって、政府から払い下げることが出来たということです。「資金援助」と記しましたが、この「資金」とはもとを辿っていけば、アメリカン・バプテストの各個教会に連なる信者の方々の献金です。こうして、関東学院は、アメリカのバプテスト教会の方々の祈りと捧げ物によって、「今日あるを得ている」(新約聖書Ⅰコリント書15:10)と言うことができるでしょう。

 

私たちは、とかく、単に関東学院が横浜バプテスト神学校から始まったから、引き続き「キリスト教学校」の看板を掲げている、と考えがちですが、「学院」創設当初から続いてきたアメリカン・バプテストとの関係という側面からも、関東学院がキリスト教学校であることを実感できるのではないでしょうか。

 

アメリカン・バプテストから受けてきた愛と恵みに感謝しつつ、イエス・キリストを土台とする学院の校訓「人になれ 奉仕せよ」をしっかりと受け止めて歩む者でありたいと改めて思うものです。

 

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第一部 感謝礼拝 於大学礼拝堂 1951(昭和26)年頃の六浦校地

 

写真は、2枚とも学院史資料室提供です。写真右の六浦校地の左側は現在の侍従川の方角です。埋め立てられる前で、海が広がっています。ここにはもちろん大学だけでなく、法人事務局、六浦中高、六浦小学校、子ども園もあります。写真提供や写真説明等は、同室室長瀬沼達也氏より快くご協力をいだたき、心より感謝申し上げます。なお学院における宣教師の働きについては、今年6月10日発行の‘WE CAN DO IT’No.201の森島牧人学院長の記事が大変参考になります。

 

 

石渡 浩司(人間発達学科)

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