教育学部教員コラム vol.86
2014.12.18 こども発達学科 青戸 泰子
本ゼミでは、子どもから大人までの発達や成長に関わる事象を、心理学的視点から研究しています。研究のフィールドは、幼・保育園、小・中・高等学校、大学、社会人、また保護者などを対象としています。対象が幅広いので、ゼミの発表を通して、自分の取り組むフィールド以外の研究も学ぶことができます。
3年生のゼミナールは、研究テーマを決める時期にあたります。「何を知りたいのか?」「なぜ、知りたいのか?」「どのように知りたいのか?」といった課題を深く掘り下げていきます。テーマを決めるにあたって、興味・関心のあるキーワードを手掛かりにして、先行研究を探し、論文等の講読を深めます。
4年生では、研究テーマに応じたフィールドに出向いて、データを収集し、それを分析して、研究論文を作成します。研究で重要になるのは、考察です。「○○は、□□であった」という結論だけでは、本当の研究とはなり得ません。
「なぜ、○○は□□なのか?」、つまり、結果を踏まえた「なぜならば」を考察することが大切なのです。
卒業研究は、ある意味でカウンセリング・プロセスに似ています。自分自身の課題と向き合い、時には葛藤し、時には外側から概観し、やがて「私性」と「公共性」の両極の中で、新たな知見が得られることでしょう。それは、今後の生き方の糧ともなりえます。研究は、自分自身のために、そして社会に貢献するために、大切な取り組みのひとつといえるでしょう。
青戸 泰子(人間発達学科)