教育学部教員コラム vol.98

2015.12.01 こども発達学科 石渡 浩司

クリスマスを待つ時節

10月31日のハロウィンの「騒ぎ」が収まり、11月に入ると、街や商業施設、アミューズメント施設等のクリスマス・イルミネーションの点灯が始まります。早いところでは11月初旬に始まります。

 

最近はLEDの普及もあってか、東日本大震災直後の輪番(計画)停電による電力節約が「うそ」のように、以前にも増してクリスマス・イルミネーションは盛んになっているように思われます。クリスマス商戦との関わりも一部否定できないところでしょう。

 

もちろん私はここでライトアップが悪いことであると言おうとしているのではありません。ただ、日本人は、教会暦の「アドベント」(待降節=クリスマスを待つ時節)について、ほとんど知識を持っていないので、キリスト教主義学校である関東学院で学ぶ人には「アドベント」を是非知っておいてほしいのです。

 

「アドベント」(Advent)とはラテン語の‘Adventus’に由来する語で、「到来」、「出現」等を意味します。キリスト教的に言えば、「キリストの到来、出現」ということになりましょう。そこから、「キリストの到来(クリスマス)を待つ時節」を意味することになります。

 

教会暦では、「11月30日に一番近い日曜日」から「アドベント」に入ります。今年の場合、11月29日です。教会ではその日からリース飾りなど、クリスマスの装飾を始め、関東学院大学ではこれに近い30日の月曜日から、クリスマス・ツリーとイルミネーションを点灯します(教会では、イルミネーションはあまり行いませんが、リースを飾ったり、アドベント・クランツを置いたりします)。

 

キリスト教国と言われるアメリカでも、巷(ちまた)では厳密にこの「アドベント」が守られているわけではないようです。アメリカは11月の第四木曜日が「感謝祭」(‘Thanksgiving Day’の祝日であり、それが終わると、クリスマスを迎える雰囲気が一気に広がるということです(この場合11月下旬から、ということになりましょう)。

 

ところで、教会では、リースやツリーなどをいつまで飾っているかというと、1月6日までです。「公現日(エピファニー)」(Epiphany)と呼ばれるこの日までがいわゆる「クリスマス・シーズン」なのです。クリスマスが終わるとすぐにお正月の準備に入る日本の習慣とは、終わりの時期もやはりずれがあるのが現実のようです。

 

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石渡 浩司(こども発達学科)

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