教育学部教員コラム vol.132

2019.01.09 こども発達学科 三谷 大紀

素敵な出会いが、実習にはきっとある

教育学部では、取得する免許、資格によって、さまざまな実習を行います。幼稚園での教育実習から戻ってきたある学生が興奮気味に次のような出来事を話してくれました。

 

普段から片づけになると強い抵抗を示すAちゃん(4歳・男児)は、その日砂場でたくさんの団子を作っていました。学生が「たくさん作ったね~。あとどのくらい作ったら片づけにする?」と聞くと、「あと、100個!」と即答するAちゃん。学生は「よし、100個ね」とこれまた即答し、一緒に世間話をしながら作ることを楽しんだそうです。おおよそ100個作り上げ、ともに喜ぶと、「よし、部屋に入ろう」とAちゃんは自らシャベルなどを片づけ、部屋に入っていっていくのでした。

 

自分の思いに最後まで丁寧に付き合ってくれたことが、Aちゃんはうれしかったのでしょう。でも、「よし、100個ね」という学生の言葉には驚いたかもしれません。「100個」という数は、「片づけない」ことを示す抵抗だったと思うからです。でも、数を問題にせず、自分の世界が認められたからこそ、片づけることや自分のクラスにも目が向いていったのかもしれません。

 

その日の保育後、実習担当の担任の先生は最近Aちゃんに対して指示や自分の願いばかりを押し付けることになっていたと振り返り、「あなたのAちゃんに対するかかわりを、今後に生かしたい」と言ってくれたそうです。実は、保育中のAちゃんと学生のかかわりを、驚きと温かいまなざしで見ていてくれたのです。一方、学生は、自分のような経験の浅い者からも自身の見方を省察する先生の姿に、驚きと憧れを感じたそうです。

 

実習では、素敵な出会いがたくさん生まれます。

2、3月には、保育士資格を取得する学生たちが保育実習に出向きます。

どんな土産話を持って帰ってきてくれるか、今から楽しみです。

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