教育学部教員コラム vol.137

2019.07.01 こども発達学科 黒田篤志

綺麗な縞模様の不思議

下の写真は,山口県萩市の須佐にあるホルンフェルス断層です。私が大学1年生の時に一般教養科目「地学」のレポートを書くために行って以来,何回か訪れている場所です。国指定の名勝及び天然記念物に指定されている須佐湾に位置し,奇岩百景にも選ばれています。
須佐のホルンフェルスは,砂岩や泥岩層からなる須佐層群が堆積した後,約1,500万年前に,その層を高温の火成岩体であるマグマが貫入し,熱作用により変成岩(接触変成岩)に変化したものです。ホルンフェルスは,ハンマーなどで割ると角張った面で割れることから,角石(つのしい)の意味であるドイツ語のHorn(角)とFelsen(岩,崖,岩石)からホルンフェルス(hornfels)と言われます。下の写真をよく見ると,灰白色部分の砂岩層と黒色部分の泥岩層からなる変成岩の縞模様を見ることができます。
さて,私の授業である理科実験でも小学校第6学年「土地のつくりと変化」の授業で下の写真を見せることがあります。学生の反応は,「綺麗」という言葉で自然の造形美を表すことが多くなっています。日本全国には,このような自然が造った景勝地は数多くあり,ちょっとした小旅行へ出かけた際に,スマホなどで画像に残すように指導しています。学生には,何気ない縞模様の中に自然の神秘,不思議を感じることができる感性をもってほしいと願っています。

 

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