教育学部教員コラム vol.142

2019.12.03 こども発達学科 藤馬  享

岐阜のまちと子どもたち

この10月31日(木)から、4年生を連れて全国小学校社会科研究協議会岐阜大会に出かけた。岐阜は、織田信長が1567(永禄10)年に美濃国を手中に収めた時に命名された地だ。この地で信長は9年間過ごし、楽市・楽座等、天下統一の足がかりをつくった。標高329mの金華山頂に建つ岐阜城からは濃尾平野一帯が見渡せ、「美濃を制する者は天下を制す」と言われる要害の地にある。近年、岐阜城一帯の発掘調査が進み山麓の居館址からは金箔瓦や庭園址が発見され、ポルトガル人宣教師ルイス・フロイス著作「日本史」にもこの居館の豪華さが記録されている。
この岐阜城下にある岐阜小学校での公開授業を学生と共に参観した。6年生の歴史の授業では、天下統一を目指す信長の業績について子どもたちが調べたこと考えたことを、互いに出し合い考えを交流し合っていた。この学習はどの小学校でも行われるが、真剣に学習する子どもたちの姿から、岐阜のまちの土台を築いた信長を誇りに思う気持ちが、意見のあちらこちらから出ていると感じられた。
また、5年生の情報を活用した産業の学習では、岐阜県内の観光の特色を情報とつなげた教材をもとに授業が行われていた。子どもたちはグループごとに分かれて、ゲストティーチャーとして招かれた旅館や観光関係の方々からの助言を受けながら、真剣にこれからの岐阜の発展について話し合っていた。
「地域社会に対する誇りと愛情」を養うことが社会科の目標にあるが、これらの授業からは、その姿を具体的に見ることができた。
一緒に参観した4年生は、半年後に教職に就く。これまでも県内小学校での公開授業を参観したりボランティア活動で学んだりしたことに加え、この経験が小学校社会科で子どもたちに身に付けてほしい資質・能力とは何かなど、改めて考える機会となったと考える。

 

 

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