教育学部教員コラム vol.174

2022.09.28 こども発達学科 浮田 咲子

コロナ禍のたかが3年、されど3年

2020年4月7日に緊急事態宣言から、学修環境の変化とそれに伴う生活スタイルの変容は、小学校・中学校・高校・大学に通う生徒・学生の身体活動に大きな影響を及ぼしてきている。部活動を行っている生徒・学生にとって、自身の頑張りを発表する場所の提供がなかったことも大きな影響の一つであろう。マスクはしていても、対面授業になり通学が戻り、そして運動部ほかの大会もある程度戻りつつある。

しかし、この3年間は大きい爪痕になっていると思う。3年生と言われる生徒・学生は特に。1年生で入学した当初からコロナで、友達作りも出来ないまま、色々な制限がかかり、それに対応していく事に追われ、2年生でやっと順調になったと思ったら、また緊急事態。本来ならできることが出来ないという制限の中、生活をしてきた。部活動を行なっている生徒・学生に至っては、今年は初めての大会で、最後の大会となる生徒・学生は多い。今までなら1年生からその大会を目標に頑張り、終わったあとは、後2年ある、後1年あると数えながら努力で励んだ生活も、コロナで大会がなく、自身のパフォーマンスを披露する場所も与えられない事が多かった事であろう。

8月のオープンキャンパスに、ある高校3年生が訪れ「やっと来られました。」と言われた。私はハッとしました。ここ2年、オープンキャンパスで通常なら大学に来て、大学を見られるはずだったのが、人数制限などで来られなかった事を思い出した。その時に、高校3年生達は大学受験をどう選択するかの見極めにも弊害があるのか…と感じた。

私の年齢だと、たった3年。でもこの年齢の生徒・学生にとっては、大切な思い出を作り、経験を積む事ができなかった3年であると考える。「少しずつ戻ってくる日常」とこの頃言われていますが、コロナ禍のたかが3年、されど3年の歳月の重さは、教員及び学校生活をする年齢の生徒・学生達には大きな変化の歳月であった。私たち教員側として、この3年間を過ごした生徒・学生に出来うる限りの対応が出来ているかを考えなければいけないと、この頃、特に感じている。

 

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