教育学部教員コラム vol.185

2023.08.29 こども発達学科 福田 真奈

子どもを理解するために

保育者や教員を目指す高校生が子どもの心を理解したい、心理学を学びたいと言っているのをよく耳にします。心理学とはどのような学問でしょうか。

 

心理学とは人間の行動や心の動きをよりよく理解するための学問です。発達心理学は心理学のひとつの分野で、人間の誕生から死に至るまで、生涯にわたって、人間の心や行動がどのように変化していくのか、諸機能がどのように変化し成長し、減衰するのか解明するものだと言われています。発達心理学の諸機能には知覚・認知・思考・学習、身体・運動、言語・コミュニケーション、情緒・欲求、自己・他者意識、人間関係、遊びなどがあります。

 

かつての発達心理学には、発達は成人期にはピークに達し、後退していくと考える傾向があり、成人に達するまでの青年期までが発達心理学の対象と考える傾向がありました。しかし、現在では老年期はけっして衰退期ではなく、老年期においてピークに達するような知的機能もあることが指摘されています。身体が大きくなる、できなかったことができるようになるという成長、進歩、向上だけではなく、できたことができなくなる、あった機能が失われるという、衰退や喪失も発達の重要な側面としてとらえ、人間の一生を全体的に理解することが発達心理学の考え方になっています。

 

保育者や教員は、子どもの心や行動を理解し援助することが必要になります。そのため大学において多角的に学び、子どもを理解していってほしいと思います。

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