教育学部教員コラム vol.187

2023.10.24 こども発達学科 長澤 真史

特別なニーズに応える教育を考える

教育学部では、特別支援学校教諭の免許を取得することができます。免許を取得した学生は、通常の小学校等の教員になる場合もありますし、特別支援学校の教員になる場合もあります。多くの学生は小学校等の教員を目指しつつ、必要性を感じて特別支援教育について学んでいます。

 

さて、特別な支援が必要とされることに読み書きの困難がありますが、その背景には、子どもたちの学び方の多様性があります。たとえば、漢字を覚える際、ある子どもは部首などのパーツの形を意識して組み合わせることで記憶しやすいかもしれませんし、別の子どもは「きのうえにたってみる、親」と語呂合わせで唱えることで覚えやすいかもしれません。ある子どもは、好きな魚に関する漢字なら、ばっちりということもあるかもしれません。しかし、基本的には学年別に配当された漢字を繰り返し書いて覚えるというのが、学校での学習法です。書字に困難のある子どもの中には、この学習法が合っていない場合があるのです。大学の授業では、これらの講義のあと、架空の事例を提示して、グループごとに支援方法を考えてもらったりします。「読み書きが苦手なんだけど、漢字のパーツを認識する力がある子どもだとしたら、どうやったら漢字を楽しく覚えられる?」というお題をだしたところ、あるグループでは寿司屋になるという活動を提案してくれました。パーツとパーツを握り合わせて漢字を構成するということです。このグループの模擬授業は、「へい!らっしゃい!」の合図で始まる活気のあるものでした。一人一人の学び方に応じた教え方を創意工夫するという、特別支援教育の醍醐味を思い出させてもらいました。

 

 

 

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