相田 紘孝

担当科目

算数、初等教科教育法(算数)、ほか

氏 名 相田 紘孝(あいだ ひろたか)
所 属 こども発達学科
職 名 講師
専攻分野 算数教育
最終学歴 東京大学大学院教育学研究科学校教育高度化専攻博士課程 単位取得後満期退学
学部担当科目 算数、初等教科教育法(算数)、ICT活用の理論と実践、教職基礎演習Ⅰ・Ⅱ、教職キャリア演習Ⅱ、教育実習指導Ⅲ(小学校)、ほか
長期研究テーマ 数学教育現代化運動(現代数学運動、新数学運動)の史的展開
長期研究テーマ
内容
1950年代から1970年代にかけての先進諸国では、20世紀初頭に登場した現代数学と呼ばれる高度に抽象的な数学を初等・中等教育段階に導入する数学教育改革がほぼ同時に行われました。この改革は、数学教育現代化運動、現代数学運動(modern mathematics movement)、新数学運動(the new math movement)などといった名称で呼ばれています。この数学教育現代化運動を、「現代数学が子どもたちや学校現場の実態を無視して導入された運動」ではなく、「現代数学の影響下で多様な認識論、教授理論、実験的なカリキュラムが(質や完成度はともかくとして)提唱された運動」として捉えなおすことをめざした分析を行っています。特に、日本における数学教育現代化運動は、(1)国家カリキュラムとは異なる独自の認識論と教授理論に基づくカリキュラムを提唱する団体が存在していた、(2)現代数学を認識論として解釈する数学者の集団が存在していた、(3)彼らの言説を数学に関心のある人々に広く流通させるメディアが存在していたという点において、国際的な数学教育現代化運動の中でも独自性の高いものだったと考えています。
短期研究テーマ アメリカ新数学運動の史的展開
短期研究テーマ
内容
長期研究テーマである数学教育現代化運動の歴史の研究のうち、まずは、アメリカにおいて展開された新数学運動(the new math movement)と呼ばれる改革の研究を行っています。新数学運動に関する議論は特定の有名なプロジェクトについて語るものが多いのですが、実際に調査をして見ると、新数学運動ではさまざまな規模のプロジェクトが相互に関係を持ちながら展開されており、時期によってもそれらのプロジェクトの関心は多様であったことがわかります。多様な意図や認識論が多様なプロジェクトとして具現化され、それらが相互に絡み合ったものとして新数学運動の全体像を描くことをめざしています。
主要業績 相田紘孝 (2019). 「アメリカ新数学運動における統合数学カリキュラムの開発 ―H. F. フェアの改革構想に着目して―」『福祉健康科学研究』福山平成大学福祉健康学部、14、55-64頁
相田紘孝 (2016). 「アメリカ新数学運動におけるL. M. ラスムッセンの教授理論」『和光大学現代人間学部紀要』和光大学現代人間学部、9、71-84頁
相田紘孝 (2015). 「M. クラインのアメリカ新数学運動批判 ―リベラル・アーツとしての数学の概念に着目して―」『東京大学大学院教育学研究科紀要』東京大学大学院教育学研究科、54、345-353頁
相田紘孝 (2013). 「アメリカ新数学運動におけるパターンの発見を導入した教材の開発 ―W. W. ソーヤーの算数教育改革構想を中心に―」『数学教育史研究』日本数学教育史学会、13、25-36頁
相田紘孝 (2013). 「アメリカ新数学運動における教授理論の変容 ―マディソンプロジェクトに着目して―」『教育方法学研究』日本教育方法学会、38、61-71頁
ゼミの内容 「自分で立てた問いを自分で集めた資料を根拠にして自分で解く」活動を行いたいと思っています。特に、「なぜ?(Why?)」という問いを「いつ?(When?)」、「どこで?(Where?)」、「だれが?(Who?)」、「なにを?(What?)」、「どのようにして?(How?)」という問いに言いかえて調べてもらおうと思っています。「なぜ?」という問いは調べても答えが出ないことが多いのですが、「いつ?」、「どこで?」、「だれが?」、「なにを?」、「どのようにして?」という問いは調べると暫定的な答えが出ることが多いからです。自分で出した答えと「答えを出すことができた」という経験は自分の人生の財産になります。・・・・・・というのは教師の側の思いであって、学生のみなさんにそのような発想を受け入れてもらえるかとは限りません。学生のみなさんの知的好奇心を引きだすことができるよう、日々工夫を重ねています。
皆様へ
メッセージ
小学生が最も嫌いな科目の1位は算数ですが、最も好きな科目の1位も算数です(学研教育総合研究所『小学生白書』など)。その事実は、算数をめぐって子どもたちの間に深刻な分断と対立があることを意味しています。特に、女子と男子の分断と対立は深刻です。分断と対立を乗り越え、平等で公正で協同的な小学校教育を実現するための最前線が算数教育なのです。できる/できないや好き/嫌いという観点ではなく、平等性と公正性と協同性という観点から算数教育に関心を持っていただけますと幸いです。
受験生へ
メッセージ
小学校の授業の17%程度は算数の授業です。これは、毎日1時間実施することに相当します。つまり、算数が好きな人も嫌い人も、得意な人も苦手な人も、小学校の教師になった際には算数をほぼ毎日教えないといけません。どうせ毎日教えるのなら、探究的な算数の授業をめざしてみてはどうでしょうか。子どもたちが平等かつ公正な環境で協同的に探究する算数の授業は、教師にとっても幸せなひとときです。そんな算数の授業をつくるための方法や技術を、私と一緒に探りましょう。
e-mail hiroaida [at] kanto-gakuin.ac.jp
個人サイト https://researchmap.jp/hiroaida
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